かさじぞう

4場面で昔話「かさじぞう」を描いてみました。

挿し絵らしく、背景をゆるりと切り取るかんじでやってみました。

縦書きの絵本や教科書などを意識して、絵が右から左へと流れるようにしてあります。

絵本を描くのが長年の夢なので、今後とも「おはなしと対応した絵」の研究は続けていきたいと思っています。

第1場面

むかしむかし あるところに、おじいさんと おばあさんが すんでいました。

もうすぐ おしょうがつなので、おじいさんは かさを こさえて まちへ うりにいきました。

「かさが うれたら おいしいものを かって かえろう。」 

しかし、かさは ひとつも うれませんでした。

第2場面

おじいさんは、かえりみちを とぼとぼ あるいていました。

「おじぞうさまも さむそうじゃのう。おお、そうじゃ。

 うれのこりの かさだが、これを つこうて くだされ。」

おじいさんは、うりものの かさを おじぞうさまの あたまに かぶせました。

ひとつ かさが たりなかったので、さいごには じぶんの てぬぐいまで おじぞうさまの あたまに かぶせました。

第3場面

そのばん、おじいさんと おばあさんが ねていると、

  じょいやさ じょいやさ   じさまの うちは どこじゃ どこじゃ

と、かすかに うたうこえが きこえてきました。

  じょいやさ じょいやさ   じさまの うちは ここじゃ ここじゃ

うたと いっしょに、なにか おもいものを ひきずる おとも きこえます。

  どさ どさ どっしーん

第4場面

おじいさんと おばあさんは おとに びっくりして おもてを みてみました。

すると、やまほどの ごちそうが のきさきに おいて ありました。

「なんと、これは おじぞうさまの おかえしか。」

「ありがたい、ありがたい。」

おじいさんと おばあさんは たのしい おしょうがつを むかえ、いつまでも たのしく くらしたと いうことです。(おわり)


制作時間 12時間

透明水彩絵の具・色鉛筆


イラストレーターりうんPortfolio

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